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シカゴ

MOVIE 2017.10.16

シカゴ

Chicago|アメリカ映画(2002)
監督:ロブ・マーシャル
出演:レニー・ゼルウィガー、リチャード・ギア、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

愛、欲望、犯罪、そしてアメリカンドリーム

「突然歌いだすなよ…」って、ミュージカル映画を否定的な目でしか見れなかった当時。かといって、音楽が嫌いなわけでもなく、むしろ好きな方でした。ロック、ヒップホップ、クラブミュージックはもちろん、ブラックミュージックといわれる類や、ジャジーな感じの音楽まで幅広く聞いていたので、本作で流れるようなサックス、トランペットなどで奏でるエロティックな音楽、アダルティーからポップに変化する時代を感じられるテイストの曲も好みではありました。予告を観たときのストーリーの軽快さと音楽の合わせ方が何だか気になり、手を伸ばしたことを覚えています(ファーストインプレッションで…と言えば聞こえはいいですが、予告で気になり観るといった、配給会社の術中にはまってしまったパターンです)。本作は1920年代のシカゴを舞台に、スターダムへと上り詰める女の生き様を様子を描いたミュージカル映画。ナイトクラブのスターになることを夢見るロキシー(レニー・ゼルウィガー)と、すでに人気の踊り子であったヴェルマ(ゼタ=ジョーンズ)は、ある事件をきっかけにともに刑務所に収監されることに。そこで繰り広げられる女同士の戦い。「Cell Block Tango」を歌いながら、女の欲望と強さを演じる場面は、とてもパワフルで、個人的に一番カッコイイと思ったシーンです。その後、敏腕弁護士ビリー・フリン(リチャード・ギア)とともに、メディア操作によって悲劇のヒロイン、そしてスターへと一夜で成り上がったロキシー。人気を誇っていたヴェルマとの逆転が、さらなる波乱の幕開けとなるのです。フラッシュライトを浴び、熱狂的な観客たちからのスタンディング・オベーションを受けるラストシーン。果たしてステージに立ってアメリカンドリームを手にしていたのは、ロキシーか?ヴェルマか?最高に盛り上がる、爽快なラストがふたりを待っている。