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PING PONG

MOVIE 2018.3.12

PING PONG

日本映画(2002)
監督:曽利文彦
出演:窪塚洋介、井浦新、サム・リー

卓球は地味じゃない!おかっぱだってカッコイイ!

松本大洋作、週刊ビックコミックスピリッツで連載され人気を誇っていた「ピンポン」。卓球を題材にしたその青春漫画の映画版がこちらです。「この星の一等賞になりたいの、俺は!!」と夢を抱き、小学生の時から卓球において凄まじい才能を発揮していた、若き日の窪塚洋介演じるペコ。一方、冷静沈着、物静かで周囲に対してまったく興味のない、典型的な秀才のスマイル(演じるのは当時ARATAの名で出演していた井浦新)。この対極した性格の二人が、実は親友。昔、スマイルがいじめられていた時代にペコが助けたこともあり、むしろスマイルからしたら、ペコはヒーロー。スマイルがペコの卓球の才能を認めていることで、凸凹コンビは成り立っています。ストーリーはありがちな挫折からの復帰劇ですが、そこがコミカルに描かれているから、この作品は面白い。ペコは部活に通わず老婆が営む卓球場「タムラ」で腕を磨き、素人相手にお金を賭けて戦う日々。インターハイ予選に出場するも、3回戦で昔の卓球仲間に負けて挫折。ゲームセンターでタバコを吸って、お菓子を食べて居座る生活をしばらく過ごします。といっても悪い奴らの仲間になって不良少年の道へ真っすぐ進むわけでなく、いじけてゲームセンターに入り浸るだけ。ベタなストーリーでも、ちょいちょいとずらしてくるんです、この作品は。その後は、ご想像の通りに卓球の道へ戻っていくのですが、おかっぱが卓球をしている映画ですよ。え?って思う方も多いと思いますが、窪塚が演じているからか、ストーリーやキャラクター設定がいいからか、おかっぱも卓球もカッコイイんです。今見ても廃れず、00年代がしっかり味わえる本作。この星じゃなくていいから、俺も一等賞欲しいな(笑)。