サマーウォーズ

THE草食系男子が世界を救う夏休みの物語

奇妙な能力タイムリープを得てしまった少女の青春を描いたSFアニメ「時をかける少女」が国内外で高い評価を受けた細田守監督の作品「サマーウォーズ」。オズと呼ばれる仮想世界が実世界に浸透していく近未来を舞台に、草食系男子の主人公・健二と、彼の先輩・夏希、そして夏希の親戚たちが、世界を救うために立ち上がるSFアニメーションです。舞台は長野県上田市。ある夏、高校二年生の健二は、憧れの先輩である夏希から「一緒に実家へいく」という不思議なアルバイトに誘われます。そのアルバイトは、よくありがちな「既婚者のふりをする」という影武者の設定。電車に揺られのどかな田舎町へと向かい夏希の実家へたどり着くと、そこには夏希の曽祖母である栄おばあちゃんの90歳を祝うため26人もの親戚が集まっていました。そう、彼らみんながこれから力を合わせて世界を救うのですが、そのときはまだは思いもよらない。2010年7月30日午前0時25分、健二の携帯電話に謎の数列が書かれたメールが送られてきます。数学オリンピックに出場するほど数学が得意な健二は、夢中になってその数列を解き明かします。その答えこそ、問題の引き金となるオズの管理権限を奪取できる暗号だったのです。人工知能ラブマシーンによってオズは乗っ取られ、現実世界に影響、街中では大混乱が各所で起こり始めました。この混乱を止めるべく立ち上がった夏希の親戚一同と、草食系男子高校生の健二。ラブマシーンとのバトルは花札（こいこい）で行われ、健二の数学能力によってパスワードの解読も成功。混乱を終息させた二人は…。と、SFアニメーションだからこそ描くことのできる、非現実世界の面白さを存分に感じられる作品となっています。ストーリー展開は笑いの部分も盛り込みながら、ゲーム要素を入れたスピーディーさが爽快。キャラクターデザインは貞本義行などが手掛け、ポップでカラフルでありながらも細田守監督の世界観がしっかりと描き出されています。大人から子どもまで楽しめるストーリー。週末の映画鑑賞にぜひ観てもらいたい作品です。