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裏窓

MOVIE 2018.5.14

裏窓

Rear Window|アメリカ映画(1954年)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュアート、グレース・ケリー、セルマ・リッター

主人公が部屋から出ない密室劇風サスペンス

「サスペンス映画の神様」と呼ばれるアルフレッド・ヒッチコック監督の代表作「裏窓」を紹介したいと思います。事故で足を骨折した車椅子生活のカメラマンが、暇つぶしに裏窓から近所のアパートに住む人々の生活を覗き見しているうちに事件に遭遇するという、ヒッチコックお得意の巻き込まれ型サスペンスです。この作品は主人公がアパートの部屋から外に出ないため、舞台劇のような構成になっています。主要な登場人物も主人公の他には、結婚を迫る美人婚約者、思ったことをズケズケ言う通いの看護師、事件を信じようとしない刑事の3人だけ。でも主人公が部屋から出られない代わりに、商売道具であるカメラの望遠レンズから近所のアパートに住む人々を覗き見することで、作品に奥行きが生まれ、退屈せず楽しめる工夫がなされています。覗き見されるアパートの住民達も、引っ越したばかりの新婚夫婦、人気者の女性ダンサー、若い作曲家、独身の中年女性、喧嘩の絶えない夫婦などバリエーションに富み、それぞれの窓に様々な物語があります。毎日窓から覗き見ることで、生活リズムなど些細な変化に気づいてしまうことも。コミカルな登場人物を登場させ笑えるシーンを差し込むことで、逆にサスペンスシーンの緊張感を増幅させているのではないでしょうか。ヒッチコックはこの「裏窓」で、カメラの場所を主人公の部屋に限定した難しい条件下のサスペンスに挑戦しているわけですが、その設定が、望遠レンズ越しの場面転換や、足を骨折していて逃げることができないといった枷を生み出し、サスペンス特有のハラハラドキドキをより一層盛り上げています。カメラのファインダー越しのありふれた日常の光景が、恐ろしい非日常の世界に変わっていくサスペンス。ヒッチコックの醍醐味をぜひこの作品で味わってみてください。

BY KAZUAKI YAMAZAKI

山崎一彰

主に特撮系作品、カルト作品の紹介を担当するアラフィフおやじです。ウルトラマンオタクで怪獣とか妖怪とか異形のものに惹かれます。特撮以外ではハラハラ・ドキドキする作品が好きなので、スパイものや冒険ものをよく観ます。中でも007シリーズは全て観ていて、20作目まではDVDをすべて持っています。