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007 ロシアより愛をこめて

MOVIE 2018.6.4

007 ロシアより愛をこめて

007 From Russia with Love|イギリス映画(1963年)
監督:テレンス・ヤング
出演:ショーン・コネリー、ダニエラ・ビアンキ、ロバート・ショウ

ロマンスとアクションの融合した娯楽スパイ映画

ついに、私の好きな「007シリーズ」を紹介する時がやってきました。50年以上にわたり映画界に君臨し続け、20作以上ものタイトルを公開してきたスパイアクションエンターテーメント映画です。今回紹介する「007ロシアより愛をこめて」は第2作目にあたります。冒頭のシーンでいきなり007ことジェームズ・ボンドが殺されてしまうという展開は、誰もが衝撃を受けました。第1作目「007ドクター・ノオ」では名前しか出てこなかった世界的犯罪組織「スペクター」が本作で登場し、首領・ブロフェルドもその姿を現します。「スペクター」はソビエト連邦(現ロシア)より暗号解読器レクターを手に入れるため、イギリスの諜報部員から横取りする計画を立てます。解読器奪取の罪をイギリスになすりつける作戦です。その計画の実行を命令され、イギリス諜報部員ジェームズ・ボンドを誘惑することになったのが、ソ連の女性情報員タチアナ・ロマノワ。「あれ?ボンドって冒頭で殺されたんじゃないの?」って思った方、この謎は作品を観ていただいたら解決しますよ。当時は冷戦状態だったイギリスとソ連。それぞれの国の命令を受けた諜報部員の男女が、恋に落ちるロミオとジュリエット的展開は、本作の見所でもあります。タチアナ(ダニエラ・ビアンキ)の女としての魅力は、ボンドが騙されるのもしょうがないと思えてしまいます(男性としては、むしろ喜んで騙されますね)。そして二人を待ち受ける「スペクター」の罠。特に、疾走するオリエント急行の狭い客室内でのエリート殺し屋レッド・グラントとボンドによる死闘は名シーンです。その他にも、ヘリコプターから襲われたり、モーターボートでの追走劇など、アクションシーンが充実。それでいてリアリティのあるスパイ映画として成立しています。個人的に「007シリーズ」で楽しみなのがオープニングのタイトルバックですが、この作品のタイトルバックが一番好き。テーマソングをアップテンポにアレンジした曲に合わせ、踊る女性の裸体にスタッフのテロップを投射したもので、作品の持つスリリングなムードとエロティックな要素がよく表現されていると思います。この作品をきっかけに007の世界にハマってみてはいかがでしょうか?