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ロッキー

MOVIE 2018.9.10

ロッキー

Rocky|アメリカ映画(1976年)
監督:ジョン・G・アヴィルドセン
出演:シルヴェスター・スタローン、タリア・シャイア、バート・ヤング

栄光よりも愛が欲しい!スポ根ラブストーリーの名作

当時まだ無名俳優だったスタローンが自ら脚本を書いて主役の座をつかみ、大ヒットによって一躍スターダムへとのし上がった、アメリカン・ドリームの体現として知られる名作「ロッキー」。どん底の生活をする三流ボクサーが世界チャンピオンに挑戦するチャンスを得て、その夢に向かっていくストーリーは、まさにスタローンそのものです。主人公のロッキーは、賭けボクシングの傍ら、金貸しの借金取りをして収入を得るみじめな生活。行きつけのペットショップ店員のエイドリアンに片思いをしているけれど、その思いは通じず、飼っている亀や金魚に話しかける描写には、家族愛に飢えたロッキーの孤独感がにじみ出ています。私だけかもしれませんが、独身者の生活って、”どうでもいい感じ”になりがちな気がします。でもそんなロッキーのアタックに、人見知りで内気なエイドリアンは少しずつ心を開いていき、やがて、ふたりの交際がはじまります。そんな中、世界チャンピオン・アポロからの指名で挑戦者に選ばれたロッキー。挑戦を受けたロッキーは過酷なトレーニングに挑みます。このシーンは、劇中に流れるテーマ曲「Gonna Fly Now」とともに、ステディカムを使った手持ち撮影によって臨場感のあるドキュメンタリックな場面となり、観客の心をぐっとつかむ名シーンです。クライマックスでは、熱狂する観客やインタビューに押しかける記者たちを振り払い、ロッキーとエイドリアンが走り寄る姿に強い愛情を感じさせられます。ロッキーにとって試合の意味が、勝敗や栄光などではなく、エイドリアンへの愛の証明だったという感動的なシーン。愛を勝ち取るための試合、負けられないですよね。