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進化を続ける三代目。
毎年改装される
「千鳥湯」
新潟の銭湯特集 #07
SPOT 2018.3.29
古きよき新潟の銭湯を
ご紹介します。
お風呂のない家なんてほぼ皆無、バストイレ別のアパートも当たり前。そんな時代だからこそ、たまにはちょっと気分を変えて、昔ながらの銭湯に行ってみるのはどうでしょう。ふと空を見上げたとき、あれ?何の煙突だろう、と思うことはありませんか? 実は意外と知られていない、町の銭湯。昔は、風呂桶を片手に、家族で通っていた、そんな銭湯。「神田川」の歌詞にもあるように、一緒にでようねって約束したのに待ちぼうけをくって寒い思いをした記憶も。そこには、いつものバスタイムとは違った時間が流れています。Najilaboでは、「新潟の銭湯」を、一軒ずつ月イチペースでお届けしていきます。
進化し続ける銭湯「千鳥湯」
CHIDORIYU
今回ご紹介する「千鳥湯」さん(新潟市中央区西湊町通)の特徴は、何といっても他ではあまり体験できないバラエティ豊かな浴槽の数々。例えば、「シルクイン風呂」。マイクロバブルより細かいナノバブルで、マッサージ効果やバリア効果、乳化洗浄効果(美容効果)などが期待できると評判です。それから、古来より中国で「薬石」として用いられた鉱物を用い、ミネラルとなる鉄、マンガンがお湯に適度に溶け出すという「麦飯石温泉」。さらには、電気で身体のマッサージをしてくれる珍しいお風呂も、今年、新しく導入予定だとか。進化と挑戦を続ける銭湯。それが千鳥湯さんなのです。
創業は昭和10年頃で、現在の主・熊谷考さんが3代目。昔ながらの銭湯がだんだん少なくなっていくなかで、「この銭湯を残したい」との思いからサラリーマン生活を辞め、実家の銭湯を継いだのは17年前のこと。当時の千鳥湯は、まだいかにも昔ながらの銭湯で、随所に歴史を感じられる傷みもあったとか。そこで熊谷さんは毎年毎年ちょっとずつ修繕を重ね、直したい箇所リストを埋めていきました。上の写真にあるような、木を基調とした清潔感ある現代的な待合は、その一例です。テーブルにはポットに温かいお茶が用意され自由に飲むことができたり、入浴後にはマッサージチェアでリラックスできたりと、快適に利用する工夫があちこちに見受けられて、とても過ごしやすい銭湯です。
番台に立つ母は
キャリア50年の
大ベテラン
番台を担当するのは熊谷考さんの母・トシ枝さん。千鳥湯に嫁いでから番台に立ち始め、もう50年以上になるという大ベテラン。考さんが継いだばかりの頃はお湯の温度でよくケンカもしたそうです。というのも、昔の銭湯は熱いのが当たり前。冬の寒い時期になると、熱い湯との温度差でお客さんが倒れてしまい、救急車を呼ぶなんてことが日常茶飯事だったそうです。でも現代ではそういうわけにもいきません。今は41~43度の適温で、じっくり温まってもらうスタイルに変わりました。ちなみに、土日祝日は薬湯の日で、その日その日の湯が楽しめるほか、毎週日曜日は早朝7時から朝風呂につかることもできます。
DETAIL
千鳥湯
ちどりゆ
新潟市中央区
- 新潟市中央区西湊町通3の町 3310
- 025-222-7395
- 13:00-23:00(日曜/7:00-23:00)
お店の備品
- ○ドライヤー
- ○タオル(販売/レンタル)
- ○シャンプー、リンス、ボディーソープ
- ○コインランドリー(洗濯機、乾燥機)
- ○ドリンク
- 〇雑誌
- ○体重計
- ○マッサージチェアー
- ○お茶ポット
スーパー銭湯や日帰り温泉などの陰に隠れがちな昔ながらの「銭湯」。夕方に暖簾をくぐって入ると、お風呂から上がったときには真っ暗になっていたりして、その町の景色の変化も含めて楽しめたり。ぽかぽかの身体で、ご近所を散歩しながら家に帰ったり。ぜひ皆さんも、銭湯の楽しさ、再発見してみてください。次回もお楽しみに!
EDITOR IN CHIEF
SHOTA KONDO
近藤翔太
普段はシャワー派です。とかいいつつも、大きな風呂は大好きです。でも、熱いお湯にさっと浸かって終わりの、カラスの行水タイプ。この特集を機に、新潟の銭湯を制覇しようかなって企んでみたりして。銭湯一人旅なんていいかも。