老舗の風格漂う蕎麦屋

「へぎそば」で知られる小千谷地域の老舗蕎麦屋「角屋本店」。創業明治22年以来、時代に流されない角屋の味を守り続けている。青森県尻屋崎産のふのりを、柔らかい状態ではなく、寒天のように煮込み水分量が少なく、密度を濃くしている。水を使わずに、ふのりだけでつなぐので、コシのある食感が長持ちするそう。削りたての鰹節と鯖節からなるつゆは、甘めの味。地元の人は、きんぴら（300円）を薬味代わりにそばつゆに入れて食べるのが通例とか。シャキシャキとした食感と、強いコシがうま味を増してくれる。天ぷらやきんぴらを浸したつゆは、個々のうま味が染み出し、蕎麦湯を淹れるとまるでスープのよう。代々受け継がれてきた、挽きたて、打ちたて、茹でたての「三たて」で、次世代にも味を伝え続けている。