女性蕎麦屋店主のおもてなし

一茶庵（横浜市）で、修業を積んだ店主。蕎麦屋では珍しく、女性店主が蕎麦を打つ。横浜在住の主婦であったが、Uターンをきっかけに、故郷・糸魚川で2010年、店を開いた。蕎麦は、修業先から届く北海道産の上質な蕎麦粉を毎朝打つ二八蕎麦。つゆは江戸前風を、地域の好みに合わせてきりっとした独自の味に。屋号を冠した「菊右ヱ門セット」には季節の小鉢や、四季の変化を大切にした食材の天ぷら、郷土料理の笹寿司が付く。酢飯のうえに自家製の具材が散りばめられた笹寿司は、笹の香りが漂い、地域のおもてなし食として親しまれている。畑仕事や山菜採りで、季節によった食材を提供する同店では、味覚で楽しめる四季がある。